こんにちは。
音楽療法士の玉榮奈津美(たまえなつみ)です。
幼児期に人気のある習い事のひとつにリトミックがあります。
リトミックは、音楽を身体で感じながら動くことでリズム感や音を聴き取る力、表現力を養うなどの目的があり、最近では多くの保育園・幼稚園で取り入れられていることも多くなりました。
四分音符、二分音符、八分音符、といった音価(=音の長さ)を歩く速さや歩幅で表現したり、音が止まったら動きを止める、音が変わったら動きを変える、音の高低を聞き分けて楽器を持つ手を上にあげるor下にさげるなどの活動があり、音を聴いて即座に動きとして反応するため「即時反応」も目的のひとつにあげられます。
音楽に合わせて体を動かす「リズム運動」、歌を歌いながら音感を育てていく「ソルフェージュ」、自由に音楽を表現する「即興演奏」がリトミックの3要素です。
一方、未就学児の音楽療法でも、一見、遊び方がリトミックに似た活動を行うことがあり、即時反応を目的のひとつにあげることもあります。
外から見たときに活動が似ていることから、違いが分かりにくいという側面があることは仕方のないことでもあり、私たち音楽療法士がしっかりお伝えしなければいけないことのひとつでもあるなと感じています。
リトミックと音楽療法、それぞれの定義やベースとなる考え方をまとめると、
となります。
ざっくり要約すると、
◆リトミックは音楽教育
◆音楽療法は対象者の目指す姿に向かうために音楽を使用すること
と言えますね。
音楽療法は対象者が幅広く、小児科や各種児童施設/事業所、重度心身障害者/児、精神疾患、リハビリ、高齢者の認知症予防/健康保持、緩和ケア、日本ではまだまだ事例は少ないもののNICU(新生児集中治療室)の赤ちゃん等、多くの現場で音楽療法が行われています。
私の場合、現在は発達がゆっくりなお子さまを専門に音楽療法を実施していますが、一口に発達がゆっくりと言っても、ひとりひとり目指す姿・ねらいは異なります。
例えグループセッションであっても、個々のニーズに合わせてねらいを定め、個々に合わせてセッションを進めています。
毎回の音楽療法セッションでどんなことを目的に活動(遊び)をしているのか、できる限りお伝えしながら進めていきますが、何かあれば(何もなくても)気軽にご質問くださいね。