セッションで使う曲やネタをどう考える?①

音楽療法

こんにちは。
音楽療法士の玉榮奈津美(たまえなつみ)です。

音楽療法に関することを書いていこうと思うと、語りたいことがありすぎて逆に何を書けばいいか分からなくなるのが悩みのタネです(笑)

さてさて。
このブログをご覧になっている方の多くはお子さまの発達に悩む保護者の方かとは思いますが、もしかしたら音楽療法士のたまご(音楽療法士を目指し勉強中の方)もいらっしゃるかも???ということで、私も含めて多くの音楽療法士が参考にしているであろう書籍(楽譜)を少しだけ紹介してみようかと思います。
この界隈では有名なものばかりなので、持ってるよ!知ってるよ!もう読んだよ!というものも多々あるかもしれませんが、ほんの一部ではありますが、私なりの解釈の仕方や活動の展開の仕方など書いていこうと思います。

静かな森の大きな木

いきなりめちゃめちゃ有名なものを持ってきました(笑)

これまでのブログにも記載した通り、音楽療法では始まりの歌、終わりの歌などは毎回決まった曲を使用し、ある程度プログラムを構造化した上でセッションを進めていくことも多々あります。
この本は、挨拶の歌に始まり、発声、楽器、身体表現など、各活動ごとに曲(楽譜)・ねらい・活動の流れがしっかり記載されており、乱暴な言い方をするとこの本に沿って各活動を抜粋してセッションプログラムを組むことができます。
特に音楽療法士になりたての頃は、各クライアント(各対象者)の音楽療法の目的に合わせたプログラムを組んでいくことがとても大変です。
迷った時の「指針」にしたり、「参考」にした上で自分なりに深堀をしたり、クライアントによってはそのまま採用したり、またはやり方を変えて実施したり、それぞれの方法でこの本を活用されている音楽療法士さんは多いかと思います。
もちろん私もその一人です(^^♪

私がセッションを実施している発達が気になるお子さま達は、診断名のついていない子の方が今はとても多いのですが、いわゆるグレーゾーンの子もいれば、ADHD、自閉症、知的障害、構音障害、吃音、発達性協調運動障害、情緒が乱れやすい子など、様々です。
仮に、一口にADHDと言っても、共通する特性はあれど、困り感やそれぞれにアプローチすべき点は1人1人異なってきます。

何かしら活動を実施しようとする場合、当然ながら『何を目的にその活動を行うのか』という観点が必要となります。
そうした時に、この「静かな森の大きな木」から活動を1つ採用したとしましょう。
自身が担当するクライアントの目指す姿・目的を最初はやんわりでも良いのでイメージを持っていると良いかと思います。(その上で目的を明確に言語化できるといいですね。)

私の場合、『目的』『活動内容』を決めると、次に以下のことを考察・検討します。
 ・クライアントの特性(行動特性・認知特性、留意すべき点など)
 ・難易度は妥当か(発達段階・理解度・注意集中をどのくらい向けられるか・応じる力があるかなどで、工程をシンプルにする・難易度を下げる必要があるかどうかを検討する)
 ・環境設定はどこまで必要か(立ち位置、道具の場所、視覚刺激を減らすため不要なものは布で隠すなど)
 ・提示の仕方をどうするか(口頭説明のみ、ホワイトボード等で文字・イラスト等視覚情報も併用する、見本を見せてから実施するなど)
 ・アシスタントの音楽療法士(または事業所職員など)がいる場合、何をしてもらうか

上記、考察・検討の結果をプログラムに反映させ、実際にセッションで実施していきます。
しかし、相手は人(しかも好き嫌いをはっきり態度に表す子ども!)なので「興味を示さない」「拒否」「想定と異なる行動をする」など思うようにいかないことはあります。
事前に多方面から考察・検討していたことで、「まぁそんなこともあるよね」と受け止めつつ、その場で臨機応変に対応を変えることも可能になりますので、大変ですがお互いに頑張っていきましょう!(何の話だ笑)

色々書きすぎて、もやは何の話をしているのか迷子になってきましたが(;^ω^)
もしまだご覧になったことのない方がいらっしゃればですが、『静かな森の大きな木』を読んでいくにあたり、活動の流れや目的を確認するだけでなく、実際にセッションを想定しながらピアノで弾き歌いすることをお勧めします。

今回、1冊しかご紹介していませんが、既に長くなってきたので一旦ここまで。
また次回、お会いしましょう。

②へ続く…