音楽療法と認知理解①

音楽療法

こんにちは。
音楽療法士の玉榮奈津美(たまえなつみ)です。

昨年の年末のご挨拶以降のブログとなってしまいました。
早いもので2025年になって4ヶ月が過ぎようとしていますが、いかがお過ごしでしょうか?

さて。
なんとも分かりにくそうなタイトルをつけてしまいましたが、本題に入りましょう。

まず、【認知】という言葉を辞書で引いてみました。(Webでぱっと調べただけですが。)

 ある事柄をはっきりと認めること。「反省すべき点を—する」
 婚姻関係にない男女の間に生まれた子について、その父または母が自分の子であると認め法律上親子関係発生させること。
 《cognition心理学で、知識を得る働き、すなわち知覚記憶推論問題解決などの知的活動総称する

そして、実用日本語表現辞典によると以下の通りです。

認知(にんち)とは、人間自身五感通じて外部からの情報受け取り、それを理解し、意味を付与する過程を指す言葉である。認知は、人間自身周囲の環境理解し適応するために不可欠な機能である。認知の過程には、視覚聴覚触覚味覚嗅覚といった五感通じた情報受け取り、その情報解釈記憶への保存、そして必要に応じて情報再利用含まれる

【認知】という言葉を大枠は後者の意味で(前者であれば3の意味で)捉えていることが多いかもしれません。
対象者(音楽療法を受けられる方)によって音楽療法士間でも捉え方の違いは多少あるかと思いますが、私は音楽療法でも概ね同義で捉えています。

勤務先である児童発達支援事業所・放課後等デイサービスでは、療育を受けられるお子さん達の多くが発達外来を実施している医療機関や児童発達支援センターで発達検査を受けており、検査結果を共有してくださっています。
代表的なものとしては‟新版K式発達検査2001”などですね。
この検査項目に‟認知・適応”があり、ざっくり‟知的発達をみる”と表現されることもあるので‟知能を測る”ものだと勘違いされることが時々あります。
発達検査における‟認知・適応”項目では
・視覚的な認知力(図形やものの形を認識する力、コピーする力)
・物の操作能力(図形を描く、積み木で検査者が作ったものと同じものを作るなど)
をみており、お子さんの特性を知ることでそのお子さんに合った支援を実施するために確認しています。

少し堅い話で進めてしまいましたが、
『見たものを正確に捉えて真似をする力』だと考えていただいても良いかと思います。

ただ、注意したいのが‟見たものを正確に捉えている”のに、‟ボディイメージの弱さ”や‟協調運動の苦手さ”から上手く真似っこできないということも往々にしてあるので、要因は1つではないこと・複合的であることを念頭に置いてセッションプログラムを組んでいく必要があると私は考えています。

音楽療法ではまず、いかに『気づき』に繋げるかというところからアプローチしていきます。
何をするにしても‟外部からの情報をキャッチする(受け取る)”ことから始まることが多いからです。
認知理解を高めるということは、自分で気づき、分かること・理解できることが増え、自分で考えたり問題を解決したりする力にも繋がるので、生きていく上で大事な力を育むことになります。

パッと見、音楽療法では遊んでいるように見えて、実は隠れたねらいがたくさんあるのです(笑)

今回は一旦ここまで。
次回へ続きます…