音楽療法とは

よく「音楽を聴いてリラックスするの?」「なんか癒されるやつだよね?」「モーツァルト療法ってやつ?」等など、音楽療法という言葉の響きや字面からイメージされるのか、このようなことを言われたりすることがあります。

そもそも『療法』という言葉の意味を辞書で引いてみると「治療のしかた、方法」と出てきます。
音楽を使って何かするらしい、という点でなかなか分かりづらいですが、日本音楽療法学会では以下のように定義されています。

音楽のもつ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障害の回復、機能維持改善、生活の質の向上、行動の変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること。

日本音楽療法学会ホームページより

これを読んでもなんのこっちゃ?ですよね(笑)

音楽の作用

心拍数や呼吸の変化(生理的)、気持ちが落ち着くor高ぶる(心理的)、みんなで歌う・タイミングを合わせて楽器を鳴らす(社会的)等、音楽そのものに様々な作用があります。
具体的には、歌うことで深く呼吸をする、好きな音楽を聴いて元気が出る、バンドを組んで仲間と演奏するor好きなアーティストのライブ鑑賞でファン同士の一体感が生まれる等、意図せずとも経験したことがある方は多いかと思います。

また、日常の中でもこの音楽の作用は至る所で使われています。(環境音楽の分野なので詳しくはないですが。)
街中にあるお店でもコンセプトやターゲットに合わせて、なるべくお客さんの出入りを多くし回転させたい場合は比較的テンポの速い曲、マッサージ店等ゆったりリラックスして過ごしてもらいたい場合はテンポがゆっくりした曲、閉店前にはもうすぐ閉店であることをお客さんに知らせるために「蛍の光」、運動会では疾走感を感じるような曲、といった具合です。

音楽療法とは、音楽の作用を用いた人と人との関わりの中で対象者(クライエント)がその人らしく生きていくお手伝いをするもの、とでも言っておきましょう。

なつみかんMusicTherapyの音楽療法

当教室の音楽療法では以下を大きな目標として、感覚遊び、楽器や動き遊び等、音楽の中で様々な遊び(活動)を行っていきます。
・感覚統合、身体調整、協調運動を育む
・人との関わりを楽しみ遊びを共有しながらコミュニケーション・社会性を育む

もちろん、それぞれのお子さまに合わせて目標や支援の仕方を変えていきますが、何よりも、今を楽しみながら『将来』を生きていくための土台作りのお手伝いをすることが私の音楽療法におけるモットーです。

厳しい話に聞こえるかもしれませんが、保護者は子どもの一生に添い遂げることはできません。いつかは保護者の命が尽き、子どもを守ることができなくなります。

子どもはいつか年齢的には大人になります。
大人になってからの人生の方が長いのです。
だからこそ、上手に周りの人たちに助けてもらいながら可愛がってもらいながら、たった一つでも出来ることを増やし、苦手な場面で自分を落ち着かせる方法や気持ちに折り合いをつける方法を見つけ、自分らしく生きる力をつけていく必要があるのではないでしょうか。
今の時代、発達がゆっくりなお子さまもいわゆる定型発達と呼ばれるお子さまも、そこは同じかもしれませんね。

私にはとても小さなことしか出来ないかもしれません。
それでも、将来に渡って多くの子ども達が自分らしく素敵な人生を送れるよう願っています。